カキ(牡蠣、英名:oyster)は、ウグイスガイ目イタボガキ科に属する二枚貝の総称で、世界中に100種類が分布している。どの種類でも岩場や防波堤などに着生しており、殻形については環境によって変化するため、外見による分類が難しい。

国内で食用として流通しているカキは、マガキ(別名:夏カキ)、スミノエガキ(有明海沿岸のみ)、イワガキ、イタボガキ(瀬戸内海のみ)である。北半球では「Rのつかない月(5~8月)は食用に適さない」といわれるのは、カキの産卵期であり精巣と卵巣が肥大し、身が痩せて旨味も少ない時期だからである。ただし、イワガキは産卵期が秋にあることから、夏場に食べるカキとして用いられている。
日本におけるカキの生産量は、殻付き換算で年間22万トンほど、むき身換算では3.4万トン程です。その多くは、はえ縄式と呼ばれる養殖で生産されており、生産地としては、広島県(51%)、宮城県(24%)、岡山県(7%)、岩手県(5%)、三重県(3%)、兵庫県(3%)、北海道(2%)が生産量の多いところである(H18漁業・養殖業生産統計年報より)。
―カキの名前の由来は―
カキは岩場などにくっついているので、「掻き落として採取するから」とか、「身を取り出すのに頑丈な殻を欠き砕いて取る」ことから、名前が来ています。
―ブランド化された各地のカキ―
多く養殖生産される産地では、カキのブランドとしてそのまま県名がついたものが一般に知られています。広島県の「広島カキ」の岩手県、宮城県の「三陸カキ」、岡山県の「岡山カキ」などがあります。現在では、漁協や地域単位での取組も活発になっており、様々な取組とともに地域ブランドとして知られるようになってきました。
- 福岡県北九州市のブランド「豊前海一粒かき」
- 北海道寿都町の「寿(ことぶき)カキ」
- 三重県のブランド「的矢かき」
- 北海道厚岸町のブランド「カキえもん」
- 広島県のブランド「カキ小町」「安芸の一粒」「じごぜん」など
―カキの栄養価は―
カキにはグリコーゲンやカルシウム、タウリン、亜鉛や鉄分などのミネラル類のほか、ビタミンB1、B2などが豊富に含まれています。その滋養高さ、栄養価の多さから別名「海のミルク」とも呼ばれ、民間療法でも「病気のときは生ガキを食え」と薬として扱われることもあります。ここでは、主な成分とその効果を紹介します。
- グリコーゲン
多糖類の一種で、カキの肝臓や筋肉に蓄えられるエネルギー源であり、カキが太ってくる旬に多くなります。この成分の効能としては、食物の消化吸収を促進させて肝臓の機能を高めるので、疲労回復や体力増進、糖尿病予防にも効果的です。 - タウリン
タンパク質を構成するアミノ酸の一種。脳に働きかけてストレスを解消し、血圧の上昇を抑えて脳卒中を予防するという効果や、肝臓にたまった中性脂肪を排出する働きがあります - 亜鉛
体内で新たな細胞を作るために必要な酵素の成分であり、新陳代謝を活発にさせ肌荒れなどの予防に係わります。特に味覚細胞は寿命が短いため、不足すると食べ物の味が分からなくなります。また、性ホルモンの分泌を促進させ、生殖能力の低下を防ぎます。
-日本の伝統料理や風土料理の数々-
生カキや貝殻焼きの他、定番のカキフライや天ぷらなど、様々な料理で食べられています。ほかにも地域で食べられている料理などを紹介します。
- カキの貝殻蒸し
殻付カキを蒸しますが、日本酒を浴びせたり、柑橘類で風味を引き立たせることも。 - カキの昆布焼き(鉄板料理)
コンブを鉄板やフライパンにひいて、じっくりとむきガキを蒸し焼きにしてきます。コンブのダシも相混ざり濃厚な旨味です。 - 土手鍋(広島)
甘めの合わせ味噌を鍋の縁に塗りって焙り、カキをメインにした鍋。 - その他
炊き込みご飯、お好み焼き、カレー、グラタンなども定番な料理です。
-各地のカキを使った駅弁-
- 北海道:カキ釜飯、サロマ湖産あったかかきめし(札幌)、かきめし弁当(小樽)、かきべん(釧路)、かきめし(厚岸)など
※殆どがカキが上に乗ったカキ飯です。 - かきめし(ひじきご飯にのっかる)、南三陸海宝弁当、南三陸松島かきめし(仙台)、広島かきめし、牡蠣めし、しゃもじかきめし(広島)
※様々なおかずの1つとして配置されたり、ダシをきかせたご飯にのせたりと、様々なお弁当で使われています。
-世界で食べられている牡蠣料理-
- カキのパン粉焼き
キルパトリック(オーストラリア):ベーコンとカキの焼き物 - 韓国:カキのキムチ、カキのチゲ、カキのチジミ
- カキ入り卵焼き(?仔煎、オーアチエン)
台湾や中国の料理で、お好み焼きのように平たく焼いてから、甘い味のタレをかけて食べます。 - ボムファム(フランス)ジャガイモ、ベーコン、カキの煮っころがし
―カキの食品衛生について―
カキの生食あるいは十分に加熱されていないカキを食べることで、食中毒の発生が知られています。それらは貝毒、腸炎ビブリオ、ノロウィルスが原因としたものです。
- 貝毒
- カキは海中のプランクトンを餌としてますが、時として海中に有毒なプランクトン(渦鞭毛藻類など)が高密度に発生することにより、それを餌として食べて体内(中腸腺(肝臓、膵臓にあたる部分))に毒性分を蓄積し毒化します。貝毒は調理などの加熱では消えません。
この貝毒には、麻痺性貝毒と下痢性貝毒の2種類があり、麻痺性貝毒では舌、口唇のしびれや運動失調、下痢性貝毒では下痢・腹痛等といった特有の症状が現れます。貝毒の毒量はマウスユニット(MU)という単位で表され、規制値が設定されており、生産地では定期的に検査され、流通の規制も行われてます。 - 腸炎ビブリオ
この細菌は海水におり、特に夏になると集中的に増殖します。ただし、熱に弱くて十分な加熱をすれば死滅し、さらに5℃以下ではほとんど増殖できないという特徴があります。
食中毒の症状としては、10~24時間後に激しい腹痛と下痢で、特に腹痛にはさしこむような激痛を伴います。また、激しい下痢が続くため、脱水症状をおこすこともあります。 - ノロウイルス
ノロウイルスに汚染された二枚貝を食べて、激しい嘔吐と下痢をしめす急性胃腸炎が集団発生します。このウイルスによる食中毒では、ヒトからヒトへの2次感染で多数の患者が発生します。ですから体内にノロウイルスを保有しているヒトが、そのまま食べる食品を取り扱うことで感染が広がります。
感染から発症までは1~2日間かかり、症状としては嘔吐と下痢で、特徴的なのは発病当初に激しい症状をおこすことです。頭痛、発熱、咽頭痛など、かぜとよく似た症状がみられる場合もあります。 - -一般的な対応法-
- 魚介類はできるだけ加熱して食べる。
- 調理する直前までは、冷蔵庫などで5℃以下で低温保存する。
- 調理したさしみはできるだけ早く食べる。
- 他の食品と接触しないよう、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎない。
- 調理の際は、魚介類を真水でよく洗う。
- まな板やふきんは、魚介類専用のものを使う。
- 使った調理器具は、よく洗い、熱湯などで殺菌する。
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最終更新 (2010年 2月 15日(月曜日) 22:02)

